皆さま、こんにちは。
リニューアル後4回目、そして今回が私自身としては初めての投稿になります。

日々、税務や経営の現場では「数字」と向き合っています。
一方で、その隣ではAIが驚くほどの速度で進化を続けています。

最近の私は、その二つが交わる場所にとても強い関心を持っています。
数字の正確さだけでは測れないもの。
便利さだけでは成立しないもの。
それが「信頼」なのではないか、と感じる場面が増えてきました。

だからこそ今回は、今いちばん思考を巡らせているテーマ――
「AIと信頼の未来」について書いてみたいと思います。

1. Claude Mythosという存在

今、私が特に注目しているのが、Anthropic社が発表した最新モデル「Claude Mythos」です。

発表以来、“最強クラスのAI”として話題になっていますが、興味深いのはその性能だけではありません。

複雑な暗号解析や脆弱性の発見など、人間では到底追いつけない領域に踏み込み始めている一方で、Anthropicは一般向けAPIの公開を慎重に制限しています。

「性能が高すぎるからこそ、簡単には解放しない」

この判断には、今のAI業界が抱えている本質的な課題が見えている気がします。

2. AIは「使われるほど赤字」になる時代へ

2026年の今、AI開発会社が直面している最大の壁は「インファレンス(推論)コスト」です。

Mythosのような巨大モデルを動かすには、天文学的な計算リソースと電気代がかかります。ユーザーが定額料金でガシガシ使い込めば、会社側は動かせば動かすほど赤字になる。いわば「売れるほど損をする商品」を抱えている状態です。

これまでのように「定額でたくさん使ってもらう」というモデルが、徐々に成立しにくくなっているんですね。

便利なものを広く届けるだけでは、持続できない。
AIは今、そんな転換点に入っているように見えます。

3. Anthropicが追っているもの

Anthropicの創業メンバーは、もともとOpenAIにいた人たちです。

彼らが強く掲げてきたのは、「AI Safety(AIの安全性)」という考え方でした。

ただ賢いAIを作るのではなく、
“人が制御できる知能”をどう実現するか。

そこに重きを置いてきた会社です。

だから私は、「Mythos」という名前にも少し象徴的なものを感じています。

絶対的な知能を作ることではなく、
その知能をどう律するか。
そこに彼らの思想があるのではないでしょうか。

4.「AIそのもの」ではなく「信頼」を売る時代

ここから先、Anthropicがどう収益化していくのかも非常に興味深いところです。

個人的には、単純な“モデル販売”ではなく、

「このシステムは十分安全である」
「このAIは一定の基準を満たしている」

そうした“保証”や“監査”に近い領域へ進んでいく可能性を感じています。

つまり、知能そのものよりも、
“その知能を安全に扱えること”に価値が移っていくということです。

これはAIだけの話ではなく、税務や経営の世界にも少し似ています。

どれだけ便利でも、
どれだけ速くても、
最後に選ばれるのは「安心して任せられるかどうか」。

結局、人は「責任」に対してお金を払うのだと思います。

5. 最後に

OpenAIが世界に“火”を広げた存在だとすれば、Anthropicはその火を安全に扱うための“炉”を作ろうとしている――。

そんなふうに見える瞬間があります。

これからのAI活用は、
「何ができるか」だけではなく、
「どこまで信頼できるか」が問われる時代に入っていくのでしょう。

これから本当に必要とされるのは、
最強の知能そのものではなく、
その知能をきちんと律し、“信頼”として社会に届けられる存在なのかもしれません。

投稿者プロフィール

岩田 かおり
岩田 かおり
会計ソフト導入と運用定着の伴走担当。仕訳の基本からレシート管理、銀行連携や請求データの取り込みまで、つまずきやすいポイントを丁寧に解説します。初期設定の進め方、経費精算ルールの作り方、月次締めの段取りを図解ベースで紹介し、現場のDXを後押しします。