一カ月以上にも及んだ2026年北中米ワールドカップ(W杯)が、ついに幕を閉じました。数々の名勝負が生まれた今大会ですが、とりわけ決勝トーナメントのポルトガル対クロアチア戦で見られたある判定は、多くの人の記憶に残ったのではないでしょうか!?

ロスタイム、クロアチアが同点ゴールを決め、スタジアムは大歓声に包まれました。しかし、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の判定により、そのゴールはオフサイドで取り消されます。肉眼では判断できず、映像を見ても「本当に触れたのか?」と思うほど僅かな差でした。それでも判定が覆った背景には、公式球に搭載された高精度センサーによる客観的なデータがありました。

センサーが捉えた「髪の毛一本」の世界

今大会の公式球には、1秒間に500回ものデータを送信する高精度センサーが内蔵されています。VARの確認時には、ボールに触れた瞬間を示す波形データが表示され、その客観的なデータをもとに判定が行われました。

税務署の「デジタル・アイ」と経営者の「感覚」

実は、この話は税務調査にも通じるものがあります。近年、国税庁(税務署)もAIやデジタル監査ツールの活用が進み、お金の流れやデータの整合性を細かく確認できるようになっています。まさにW杯のセンサーのように、人間の目では気づきにくい小さな違和感もデータが教えてくれる時代です。

そんな時代に、次のような"感覚"だけに頼る考え方は危険です。

  • 「今までこれで問題なかったから大丈夫」
  • 「領収書があるから説明はいらない」
  • 「少額だから、記録を残さなくても平気」

たとえ本当に事業のために支出した経費であっても、それを客観的に証明できるエビデンス(証拠)がなければ、経費として認められない可能性があります。

税務調査で「ゴール」を認めてもらうための3つのエビデンス

では、私たちは日頃からどのような「証拠(エビデンス)」を残しておくべきなのでしょうか。重要なポイントを3つご紹介します。

1. 領収書+メモ

領収書があるだけでは十分とはいえないケースもあります。特に飲食費などは、「誰と」「何の目的で」「どのような商談を行ったのか」をメモしておくことで、経費としての説明力が大きく高まります。

2. 打ち合わせ記録・メール

コンサルティング料や外注費など、形のないサービスについては、「実際に業務が行われたのか」が重要になります。メールのやり取り、議事録、成果物などを一緒に保管しておくことが有効です。

3. 営業車の走行記録

会社名義の車については、私的利用との区別が求められることがあります。「いつ」「どこへ」「何の目的で」利用したかを簡単に記録しておくだけでも、税務調査への説明力は大きく変わります。

データが味方になれば、経営はもっと強くなる

サッカーの判定がテクノロジーによってより正確になったように、税務の世界でも「客観的な証拠」が重要視される時代になっています。「仕事で使った」という説明だけでなく、「仕事で使ったことを証明できる記録」を残しておくことが、会社を守る大きな力になります。「今の経費管理で大丈夫だろうか?」と少しでも気になることがありましたら、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。VARで判定される前に、一緒に安心できる経営基盤を整えていきましょう。

投稿者プロフィール

スタッフ A.S
スタッフ A.S
バックオフィス実務担当。長年の経理・税務実務で培った正確性と丁寧な対話力をいかし、現場の業務フローに合わせた運用定着まで、誠実かつ確実にサポート。